住宅ローンを滞納してしまうと、「期限の利益の喪失通知」が届くのと併せて、「代位弁済予告のご通知」ですとか「保証債務履行のご通知」という通知が届きます。通知の名称は金融機関によってまちまちです。

住宅ローンの契約をする際に、あなたが融資を受ける金融機関とは別に、保証会社と「保証委託契約」という契約を結んでいます。この契約は、「あなたの住宅ローン返済が滞り、返済ができない場合には、あなたの代わりに保証会社が金融機関へ住宅ローンの残高全額を一括で返済します」という内容のものです。

この、あなた（債務者）に代わって保証会社が金融機関（債権者）へ一括返済することを「代位弁済」といいます。ですので、「代位弁済予告のご通知」とは「近いうちに代位弁済を行いますね」という意味であり、その通知です。

この代位弁済が行われると、あなたが住宅ローンの残額を支払う相手が金融機関ではなく保証会社へと変わります。代位弁済が行われたからといって、支払い義務はもちろんあなたに残ったままです。債務はなくなりません。保証会社は一括で支払ったあなたの借金について、あなた（債務者）への求債権を取得し、金融機関（債権者）が持っていた担保権などを行使できるようになります。

そして、支払う相手が変わるだけなら...ですが、代位弁済が行われると支払いの条件が厳しくなります。保証会社はあなたへ住宅ローンの残高を一括で返済するよう求め、それができない場合は売却されてしまいます。さらには、団体信用生命保険の契約も解除されますから、このタイミングであなたに万が一のことがあったとしても保険金が下りず、残されたご家族は窮地に立たされることになります。

そもそも、住宅ローンを組んで分割で支払いをしていて、それが滞ったことが原因なのですから、住宅ローンの残額を一括で支払うことなど難しいはずです。ですので、「代位弁済予告のご通知」が届いたら、債務の問題ということで多くの方が弁護士さんへ相談され、その結果自己破産されます。しかし、法律の専門家ではなく住宅ローン問題の専門家へ相談することで、多少なりとも道を切り拓くことができます。

ですので、まずは住宅ローン問題の専門家に相談して、選択すべき道を模索しましょう。