実家の解体とゴミ処分、娯楽や交際費などで底を突いた退職金。親子間売買、リースバックの失敗を経ての任意売却で、住宅ローン清算に成功

ご相談者は新見市にお住まいの山本さん(仮名)。60代の男性です。

山本さんは55歳のときに中学校の教員を早期退職。息子さんと娘さんは、すでに独立されており、ちょうど娘さんが生まれた頃の28年前に新築されたご自宅で、奥さんとお母さんと山本さんの3人でお住まいとのこと。

退職後、山本さんは施設の指導員を、奥さんはパート勤めをされていて、それにお母さんの年金を合算すると、一家で45万円/月の収入。一方、住宅ローンの支払いは月々12万円 + ボーナス払い33万円が年に2回。教員の退職金もありますし、お子さんは独立されていますから、贅沢さえしなければまったく問題なく返済できるハズなのですが…「住宅ローンの返済が滞り、督促状が届いてしまった。」と当社へご相談にいらっしゃった次第です。

退職金は、お母さんが住んでおられた山本さんのご実家の解体費、加えて、その際の家財道具やゴミの処分費に充てられたとのこと。残った退職金は、娯楽や交際費などに徐々に消えていき、底を突いてしまったようなお話でした。また、家の中には不要なモノがたくさん溢れていたことから、退職金や収入は趣味嗜好品の購入でも消えていったのだろうな…というのはご自宅を伺った際に感じたことです。

山本さんのご希望は、親子間売買を成功させてそのまま住み続けることでしたので、当社で親子間売買の実績がある金融機関へ相談。しかし、お子さんが2人とも転職されたばかりだったため、NGの返答が。リースバックへ方針転換し、個人の投資家や不動産投資のグループ、その他不動産会社さんへ打診してみたものの、いずれからも「場所が悪いため(新見市哲多町)、将来転売できる可能性が低いのでリースバックは困難。」との返答で断念。

最終的には「住宅ローンを完済したい。」との山本さんのご希望に添えるよう、任意売却の販売活動を開始。わずか2週間ほどで、同じ新見市の方が購入してくださいました。残債務840万円のところ、980万円で任意売却に無事成功。

決済日、山本さんとお母さんが金融機関にいらっしゃった際には、2人とも安心した穏やかな表情を浮かべてらっしゃいました。その後、山本さんご一家3人は新見市内の賃貸アパートへ転居。平穏な生活を手に入れられました。