コロナ禍、残業代減少が原因の住宅ローン返済困難。手話通訳士の方のサポートを得て聴覚障がい者の方の任意売却に無事成功
ご相談者は岡山県赤磐市在住の榎本さん(仮名)。50代の男性です。
21年前に地元の工務店でご自宅を新築。以来、榎本さん・奥さま・息子さんの3人で円満に暮らしてらっしゃいましたが、コロナ禍の影響で残業代が減少し、奥さまのパート代を家計へ加えても住宅ローンの返済がつらい状況へ。何とかして凌いでは来られたものの、遂にはご相談の半年ほど前から住宅ローンの支払いが滞るようになってしまったそうです。
市内にある、とある大手ハウスメーカーの支店へ自宅売却の相談をなさったところ、「売却しても住宅ローンを完済できず、債務が残ってしまう案件はお受けできない」との回答が。しかし偶然にも「『任意売却』と言えば、オハナ不動産の山部さん」と、ハウスメーカーの担当者さんが当社の山部とつながっていたことから、榎本さんをご紹介いただけたのです。
早速、榎本さん夫妻・ハウスメーカーの方、そして、山部とで面談。状況の確認、ご希望の確認、そして、任意売却のご説明とスケジュールの確認などを実施。加えて、その場で債権者へ電話連絡、事情を説明した上で、翌月から住宅ローンの返済を停止してもらえることに成功しました。
その後、早速、任意売却の販売活動を開始。残債務が約1,300万円のところ、売却価格940万円でスタート。5件ほどの見学いただきながら販売価格の調整を行っていたところ、販売活動の開始後4ヶ月目に、「リノベーションの施工事例に活用したい」とのことで住宅会社さんに830万円で購入いただけました。
残債務は定年退職時の退職金と、毎月の無理のない範囲での返済とで完済できることに。無事に、任意売却の成功です。
決済後、榎本さんは「お世話になりました」と何度も頭をさげてお礼を言ってくださいました。
さて、実は榎本さん、奥さま・息子さんの皆さん、耳が不自由な聴覚障がい者の方でいらしたため、普段の任意売却と比較すると、いくつかの違いがありました。
- 耳が不自由な方のため、市の生活支援サービスから派遣される手話通訳士の方のサポートが多くの連絡・すべての手続きにおいて必要だったこと(サポートなしには任意売却の成功はありませんでした)
- 会話での説明・伝達ができないため、榎本さんとの連絡は基本、文字ベース。主にLINEで行ったこと
- 債権者と債務者とが遠方にある場合、任意売却の販売開始前には通常、債権者が債務者本人へ電話で意思の確認を行うところそれをできないため、「電話リレーサービス」を手配して本人確認を行なったこと
比較すると、やはり手間は増えてしまいますが、どんな方であっても住宅ローンの返済でお困りの方が最後に笑顔を見せてくださったときに得られる達成感や満足感は、何ものにも代え難いもの。それが「任意売却」という大変な仕事を続けられている原動力です。